グロース株投資

【アミリス(AMRS)の銘柄分析】事業内容・財務状況・株価を考察!【米国株】

 

困ってる人
アミリスがTwitterで話題だけどどうなの?合成生物学とか難しすぎてわからないよ。

 

アミリスの事業内容や財務状況などをまとめたので見て欲しいワン!
ちゃぴ太郎

 

アミリス(AMRS)の銘柄分析をしました。情報リソースはほぼアミリスのホームページです。

 

結論

✔︎有機化合物を合成・製造・販売する会社

✔︎酵母を使った合成に強み

✔︎事業は最終製品(to C)、企業向け製品(to B)、ライセンス(to B)、共同開発(to B)の4つ

✔︎高利益率のto Cに注力

✔︎to Bは開発案件数と量産までできる分子数が勝負

✔︎赤字続き、借金まみれ

✔︎長年の低迷期を経て2021年は変革の年

 

アミリスの事業の全体像を把握できる内容にしました。

 

私はアミリスの株を保有しており、グロース株PFの30%ほど占めています。

 

それでは見ていきましょう。

 

アミリス(AMRS)の概要

企業名:Amyris
設立:2003年
本社:アメリカ カルフォルニア州
上場:NASDAQ(AMRS, 2010年〜)
業界:バイオ(合成生物学)
事業:有機化合物の合成・製造・販売
売上:1.73億ドル(2020年)
従業員:595人(2020年)

 

アミリスは2003年に創業した企業です。

 

合成生物学の代表的な企業として有名になりましたね。

 

合成生物学と聞くと馴染みがなく、なにやっているかわからないと思います。私はググってもよく理解できなかったです。

 

アミリスは簡単にいうと有機化合物を合成して販売する会社です。

 

事業内容は大きくわけて4つあります。

 

4つの事業 事業概要
最終消費者向け製品 スキンケア化粧品/ベビーケア用品/ゼロカロリー甘味料
ブランド:BIOSSANCE/Pipette/Purecane
現在急成長で重点戦略領域
企業向け製品 香料成分、化粧成分、栄養成分などを販売
現在の主力事業
共同開発 顧客が要望する分子(香料成分など)の合成・量産確立をアミリスが行い、顧客にお金を投資してもらう
ライセンス&ロイヤリティ 特許使用料など
2021年まで特殊なライセンス料が入るが、それ以外は小さい

 

各事業の2020年度の売上比率は次の通りです。売上は全部で1.73億ドルです。

 

売上構成

 

幅広い業界で事業をしており、事業別売上構成もまぁまぁ分散できていますね。

 

各事業は独立しておらず繋がりがあります。

 

①共同開発:
 顧客からお金をもらって顧客要望の化合物の合成を行う
 公的機関から助成金をもらうときもここに計上

 

②企業向け製品:
 共同開発が成功したらアミリスが化合物を製造して顧客に販売
 

②’ライセンス&ロイヤルティ:
 共同研究が成功して顧客が化合物を製造する場合はライセンス料をもらう
 

③最終消費者向け製品:
 開発してきた化合物を使用して自社ブランド商品として販売

 

ぱっと見、良い商売ですよね。

 

顧客からお金をもらって開発して、成功したらその顧客に製品を売ることができるんですから。笑

 

でも合成を成功させることが難しいんです。

 

アミリスの技術や価値を簡単に説明したのち、それぞれの事業の説明をします。

 

アミリス(AMRS)の技術を簡単に説明

この章は読み飛ばしても大丈夫です。笑

 

アミリスの事業は4つありますが、すべての事業は有機化合物を合成するという共通点があります。

 

アミリスは酵母を使って、糖から様々な有機化合物を合成します。概要を図で書くとこんな感じだと思います。

 

 

構造式はよく意味わかりませんね。笑

 

もう少しミクロでアミリスの業務を見ると大体以下の通りです。

 

業務の簡単な流れ

  • (顧客と)合成したい標的化合物の構造を決める
  • 原料の糖から、標的化合物を合成する経路を考える
  • 酵母のDNAの設計・編集・組換をする
  • DNA編集した酵母を使って標的化合物が合成できるか試験する
  • できたら量産のためにさらにDNAなどを最適化する
  • 量産設備で量産する

 

合成生物学について詳しく知りたい方はTALBOTさんのnoteで紹介されていますので、見てください。笑

 

困ってる人
難しいな。酵母を使うのが得意で、原料はさとうきび由来の糖ってことね?DNA編集なども含めて酵母の扱いが上手な会社ってことだよね?

 

そうだわん!酵母を使って糖からいろんな有機化合物を合成するワン!
ちゃぴ太郎

 

アミリスは有機化合物を合成して販売する事業ですが、そもそも有機化合物の製品ってどんなものがあるのか見ておきましょう。

 

一般的な有機化合物について

 

有機化合物の合成をアミリスはしているんですが、有機化合物ってなにかというと、以下のような例があります。

 

服の繊維やペットボトル

ガソリンやLNGなどの燃料

食べ物の甘味料や香料

人体のたんぱく質や脂質

医薬品や農薬

化粧品やスキンケア用品

 

知らないだけで世の中の多くは有機化合物でできていますね。

 

大きいことを言うとアミリスの合成生物学の技術でどの業界にも入っていける可能性を秘めています。

 

有機化合物は人工に合成された化合物と天然化合物の2種類があります。

 

人工合成が9割、天然物が1割くらいです。

 

この2種類が競合であり、アミリスが置き換えを狙う市場です。

 

既存の人工合成と天然化合物のデメリットを確認します。

 

人工合成(全合成)のデメリット

✔︎石油が原料なので最近のイメージは良くない

✔︎石油由来の化合物は人体にも良くない(らしい)

✔︎構造が複雑だと収率(歩留)が低い

✔︎合成途中で有害物質を使用する場合がある

✔︎加温加圧など特殊な条件が必要な場合がある

 

人工合成とは石油から取れる原料を、何回も合成を繰り返して、標的化合物を合成します。

 

図の香り成分の人工合成は8回も合成を繰り返してようやく完成します。

 

引用:Chem Station

正直よくわかりませんね。難しそうだということです。笑

 

有機溶剤や有害な化合物を使うことも多いみたいですし、収率が悪そうですね。

 

現在の有機化合物製品の9割が人工合成です。

 

人工合成が抱えている課題である、石油由来、有害物質の使用、収率の悪さを、アミリスの合成生物学がクリーンで高効率にしようとしています。

 

天然化合物のデメリット

✔︎天然資源で数に限りがある(絶滅してしまう)

✔︎サメの肝臓などからしか採取できない化合物がある

✔︎季節性や天候悪化により採取量が減ってしまう

✔︎価格の変動が大きい

 

天然物はオーガニックと言われて、人体に優しく流行りですが、課題もあります。

 

そのほとんどが自然保護の観点です。

 

サメの肝臓から取っているスクアレンという化合物は、スキンケアに欠かせない化合物ですが、サメを殺さないといけません。

 

よくないですよね。

 

アミリスは糖からスクアレンを合成する方法を開発し、量産化しています。サメが保護できる社会的意義があり、原料供給も安定するため価格も安定します。

 

アミリスの合成生物学を使った合成のメリット

アミリスの合成生物学を使ったビジネス面でのメリットの紹介です。

 

アミリスの合成生物学のメリット

✔︎さとうきびが原料なのでクリーン

✔︎DNA編集した酵母を使えばどんな標的化合物も合成できる可能性がある

✔︎人工合成のような有害物質を使わない

✔︎天然物を合成できれば自然保護になる

✔︎化合物によっては安価に安定的に量産できる

 

ここまででアミリスの事業や技術、人工合成や天然物などの違いなど、なんとなく全体像を掴めたと思います。

 

困ってる人
合成生物学はクリーンなイメージと、今まで合成するのが難しかったり高価な化合物の課題を解決できるってことで良いのかな?

 

その通りだワン!
ちゃぴ太郎

 

アミリスの事業内容を詳しく見ていきます。

 

アミリス(AMRS)の事業内容

4つの事業である、最終消費者向け製品、企業向け製品、共同開発、ライセンス&ロイヤリティについて説明します。

 

それぞれの製品や事業内容を詳しく説明していきます。

 

少し長くなりますので、興味がある領域だけ見ていただければと思います。

 

最終消費者向け製品

現在販売しているブランドは3つあります。

 

ブランド名 販売製品 開始時期
Biossance スキンケア化粧品 2015年〜
Pipette ベビーケア用品 2019年〜
Purecane ゼロカロリー甘味料 2019年〜

 

化粧品もベビーケアも甘味料もたくさんの企業がひしめく業界ですね。

 

アミリスの差別化ポイントはクリーンビューティーのイメージの一点突破です。

 

去年からしか売上データが公開されていませんが、売上は急激に伸びている事業になります。

 

2020年度の売上は5,160万ドルです。2019年度から2020年度は売上が196%も増加しています。

 

 

四半期で見るとわかりやすいですね。2020/4Qの売上は1,730万ドルで、2019/4Qと2020/4Qで比較すると売上が162%も増加しています。

 

 

スマイルカーブ的にもターゲット層的も高利益率の事業になります。

 

アミリスは技術力の高さを評価されてきましたが、toBビジネスは事業として成功してきたとは言えません。大赤字です。

 

収益体質を改善しようと戦略転換して始めたのが、この最終消費者向けの製品になります。

 

売上も5,160万ドルであり、toB製品の売上6,000万ドルに追い付いてきています。

 

それぞれのブランドを簡単に見てみましょう。

 

スキンケアブランドBiossance

 

製品はスキンケアです。

 

肌のハリや艶を改善したりします。

 

スクアランやビタミンの成分をベースにした商品展開がされています。

 

スクアランは、アミリスがバイオ燃料をしていたとき量産していたファルネセンという化合物から合成されています。

 

ビタミンは大手栄養素メーカーと共同開発しており、自分たちでも使用させてもらっているんだと思います。

 

つまり新しく化合物を開発しておらず、既存のポートフォリオの中にあるものを使用しているので、あまり開発費はかかっていません。

 

価格は高めですね。

 

クレンジングオイルが58ドルもします。

 

販売方法はネットと店舗の両方です。

 

▼ネット▼

オウンドメディア
アマゾン
SEPHORA(LVMH傘下の化粧品香水専門)
Cult Beaty(イギリス)

▼店舗▼

SEPHORA

 

広告はインフルエンサーとClean Academyでの啓蒙活動が主だと思います。

 

テレビCMとかやってないと思いますが、やっていたらすいません。まだ合成生物学の市場が小さく、CMはあまり効果ないと思います。

 

一般的なスキンケア製品と比べて、クリーンなイメージの一点突破だと思います。

 

ターゲットはミレニアル世代以下(40歳以下)で、ポジショニングはクリーンの軸があれば差別化は大丈夫でしょう。

 

インフルエンサーマーケティングやクチコミなどは、アミリス側でコントロールできないことも多々あるので、炎上したら終わるかもしれませんね。笑

 

一番売れている製品であり、2021年もさらに売上を伸ばしていくことが予想されます。

 

ちゃぴ太郎
環境に優しくてクリーンなイメージは今の時代ウケが良いワン!

 

ベビーケアブランドpipette

 

2019年9月に立ち上がったブランドです。

 

製品は赤ちゃんとその家族向けのケア用品です。

 

赤ちゃん用はシャンプー、ボディウォッシュ、オイルなどで、母親用はベリーバターとオイルなどがあります。

 

成分がスクアランとアピールしていませんが、たぶん使っています。

 

アミリスは洗浄成分の研究開発もしてきており、それらの化合物も使っているのではないかと思います。

 

価格は高めですね。

 

シャンプー&ボディウォッシュが12ドルもします。

 

日本のメーカーだと数百円で買えますからね。笑

 

販売方法はネットと店舗の両方です。

 

▼ネット▼

オウンドメディア
アマゾン
ウォルマート
ターゲット
Dermstore

▼店舗▼

バイバイベイビーストア

 

 

広告はモデルおよび実業家のRosieHuntington-Whiteleyさんを起用しています。

 

Pippeteは、成分が無毒、動物を殺さない、環境保護などを全面にアピールしていますね。

 

ターゲットはミレニアル世代以下(40歳以下)で、ポジショニングはクリーンの軸があれば差別化は大丈夫でしょう。

 

売上は未知数ですが、流通は良いところを抑えているので、数千万ドルの売上を期待したいですね。

 

健康甘味料purecane

 

Purecaneだけポップですね!笑

 

2019年12月に立ち上がったブランドです。

 

製品はゼロカロリー甘味料です。

 

お菓子やケーキに入れる甘味料です。

 

アメリカは肥満大国と言われているので砂糖のとりすぎは健康によくありません。

 

アミリスは太りにくいゼロカロリー甘味料を販売しています。

 

既存のゼロカロリー甘味料は味が落ちてしまう課題があったみたいですが、アミリスは高純度で化合物の合成ができるため味が落ちないようです。

 

甘味料は2017年からto B向けで量産している実績があり、PurecaneにはRebMという化合物を使用しています。

 

価格は、、、高いんですかね?笑

 

お菓子用の甘味料が12oz(340g)で12.99ドルです。

 

ググった感じではほんの少し高いイメージです。

 

HPでは在庫切れとなっていましたが大丈夫でしょうか?ちゃんと売ってますか?笑

 

販売方法はネットだけだと思います。情報が少ないです。

 

▼ネット▼

オウンドメディア
アマゾン

▼店舗▼

無し??

 

 

広告はよくわかりません。

 

2020年12月にポピュラーサイエンスという雑誌で賞を取っていますが、あまり価値はないでしょう。

 

2021年にFast companyという雑誌でも革新的なブランドに選出されていますが、こちらは価値がありそうです。

 

売上は未知数ですが、2021年は売上が2倍ペースできているようです。

 

健康の需要は高まっていますし、味も美味しいのであれば若い世代を中心に広がってもおかしくありません。

 

しかし私は一番期待していないブランドです。笑

 

以上が最終消費者向けの製品でした。

 

困ってる人
最終消費者製品はBiossance以外まだ立ち上がったばっかなんだ。今年くらいから売上が大きくなってくるのかな?

 

売上成長率は倍々ゲームだワン!今年もこの調子が続くと思うし、実店舗での扱いが始まったらさらに売上拡大していくワン!
ちゃぴ太郎

 

次は企業向けの製品を説明します。

 

企業向け製品

アミリスの主力事業であり、これからも売上を伸ばさなければいけない事業です。

 

2020年の売上は6,000万ドルです。2018年に落ち込みましたがそれからは右肩上がりです。

 

※2016〜2018年は最終消費者向け製品の売上込み

 

アミリスはこれまでたくさんの化合物の開発をしてきましたが、現在重要な製品のみピックアップしました。

 

香料、栄養成分、化粧成分の3つです。

 

業界ごとに紹介していきます。

 

香料/フレーバーアンドフレグランス(2013年頃〜)

 

早い段階から製品化しているのが香料です。

 

顧客はGivaudan(香料業界シェア1位)、Firmenich(シェア2位), IFF(シェア3位)、高砂香料(シェア7位)などがいます。

 

毎年安定的に売上を上げており、2020年はGivaudanへの売上1008万ドル、Firmenichへの売上997万ドルです。

 

天然から取れる香料も多いですが、量が限られていたり、純度が低く高価だったりします。

 

アミリスはさとうきび由来の糖から合成することで、安価で安定的で大量に供給することができます。

 

香料市場は2020年で228億ドルあります。大きいですね。

 

 

アミリスが狙える市場はおそらく合成が難しかったり、天然物で量が限られたりするニッチな特殊品だと思います。

 

特殊品を3%とすると、6.8億ドルくらいはアミリスが狙える市場になるんじゃないでしょうか?

 

アミリスが合成を得意とするテルペン系化合物が多いのが香料分野ですので、今後も売上を伸ばしていって欲しいですね。

 

栄養成分(2015年頃〜)

栄養補助成分とはビタミンA、Eなどです。

 

顧客はDSM(ビタミン大手)、Nenterなどです。

 

ビタミン事業も大手企業が顧客ですね。

 

2020年はDSMへの売上95万ドル、2017年にNenterへの売上1,200万ドルです。

 

ビタミンEが最も大きな売上なんですが、ビタミンE事業は2019年に撤退しています。

 

製造施設であるブラジル工場も特許ライセンスもDSMに売却してしまいました。2021年まで少しライセンス料が入ってきて終わりの業界になると思います。

 

ビタミンAもDSMと独占ライセンス契約をしているため、DSMのみにしか販売できないと思われます。

 

ビタミンAの売上はまだ小さいです。正確な数字はないですが、これまでのMAX売上は100万ドルです。

 

栄養補助成分はこれから期待できないでしょう。

 

市場は大きいのでもったいないですね。

 

 

化粧成分(2012年頃〜)

 

スキンケア化粧品など様々な製品にアミリスの化合物が使用されています。

 

主力製品はスクワランという化合物です。

 

スクワランとは主に深海サメの肝臓からとれるスクワレンを水素化した化合物です。

 

自社ブランドBiossanceでも使用している化合物ですね。

 

資生堂、ロレアルなど有名企業が顧客です。

 

スクワランは化粧成分として非常に注目されていながらも、一部のサメや植物などからしか取れないため高価でした。

 

アミリスは合成生物学を駆使してスクワランを安価に大量合成できるようにしました。

 

現在、アミリスの売上の20%(3,460万ドル)はスクワランのようです。すごいですね。

 

次はライセンス&ロイヤリティをみていきます。

 

ライセンス&ロイヤリティ

特許使用料をもらうビジネスです。

 

2020年の売上は5,100万ドルで、全体売上の28%を占めます。しかし年度ごとのボラティリティは高いです。

 

 

正直ライセンスビジネスはうまくいっていません。売上のほとんどがDSMというオランダの化学会社です。

 

ライセンスの成分 顧客
2017年 ビタミンA DSM
2019年 ビタミンE DSM
2020年 ファルネセン DSM

 

2017年はビタミンAのライセンス使用料です。DSMと独占ライセンス契約をしてNenter社へ売ったものから得たと思います。しかしそれ以降ビタミンAのライセンス料は微々たるものです。

 

2019年はDSMへ売却したビタミンEのライセンス料4,910万ドルです。しかし2020年には480万ドルまで落ち込んでいます。ビタミンEは2021年までの契約なのでそれ以降ライセンスフィーは入ってこないでしょう。

 

2020年もDSMからのライセンス料4000万ドルです。このライセンス料は特殊で読み切れていません。おそらく2017年にDSMに売却したブラジル工場で製造しているファルネセンという化合物をGivaudanに販売したためライセンスフィーをもらっています。

 

しかし調べてみるとファルネセンのライセンスもDSMに売却しているようでした。

 

もしかしたら既存顧客であるGivaudanにファルネセンを販売してもらうようにお願いしたのかもしれません。

 

ビタミンEもファルネセンもアミリスの新しい工場が稼働する2022年1Qまでです。

 

それ以降の売上はかなり落ち込むと思います。最終商品者向けの製品などで補っていく必要があります。

 

困ってる人
DSM頼りで不安だな。

 

その通りだと思うワン!だから次に紹介する共同開発の成功が鍵を握ると思うワン!
ちゃぴ太郎

 

共同開発(コラボレーション)

アミリスは様々な企業と様々な分子を共同研究をしています。

 

この共同開発がうまくいかないと企業向け製品の売上が大きく増えないので、最大限の経営資源を突っ込まないといけないです。

 

成分と企業名を一覧にしました。

 

成分名 企業
カンナビノイド(大麻成分) LAVVAN(投資会社)
現在訴訟を起こされているが詳細な情報開示無し
医薬品 Johnson&Johnson
バイオ医薬品大手3社
Yifan Pharmaceutical Co.,Ltd
ゴム クラレ
ワクチンアジュバンド IDRI
HMO DSM
香料 Givaudan
Firmenich
軍事系 DARPA
工業用潤滑油など Novvi
防腐剤、(ゼロベースタンパク質) ミネルバフーズ

※もう終わってる案件もあるかもしれません。

 

この中から量産まで確立して、売れるようにならないとアミリスの将来はありません。

 

toBビジネスを伸ばすためにも頑張って欲しいです。

 

株主からすると共同研究する分子の数が少ない気がしますが、これで会社としては大忙しなのでしょう。

 

2020年の売上は1780万ドルです。こちらもボラティリティが大きい事業ですね。

 

 

2020年はDSM(HMO?)、2019年はLAVVAN(カンナビノイド)が主な収益です。

 

企業ごとの収益は次のようになっています。見づらくてすいません。

 

 

この中から特に注目しているHMOとカンナビノイドの説明をします。

 

HMO(ヒトミルクオリゴ糖)

HMO(ヒトミルクオリゴ糖)は母乳の中の三番目に多い成分で、約200種類の構造があります。

 

乳幼児を育てるときに、母乳は栄養を与えるだけでなく免疫も上げるようです。

 

母乳の成分の中でもHMOが免疫に効果があるのでは?と注目されています。

 

しかし世界の2/3が母乳で育てることができないのが現状です。

 

アミリスは合成生物学を利用してクリーンで安価なHMOの合成に着手しました。

 

HMOの市場規模も2020年に1.8億ドルくらいあり、2025年までCAGR27%で伸びています。

 

 

アミリスがHMOの開発で手を組んでいるのがDSMです。

 

これまでビタミンで大きな売上に繋がった企業であり、すでにHMOの製品も持っている企業です。

 

バイオテクノロジーの研究もしているため、アミリスの技術への理解もあります。

 

市場規模が小さいですが、伸びがすごいのでぜひ開発が成功して欲しいです。

 

カンナビノイド(CBD、CBG)

カンナビノイドは大麻草の成分です。

 

ストレスの緩和や不安の軽減、精神疾患の治療などに有効な成分と言われており、その安全性と有効性についてはWHO(世界保健機関)が認めています。

 

カンナビノイドの市場は急拡大しています。

 

オランダなどは昔から合法でしたが、最近ではカナダやアメリカの一部の州で合法化が進んでいます。

 

市場規模は2019年6億ドル、2022年には220億ドルくらいまで急上昇します。

 

市場調査なんて適当なので本当かとうかわかりませんが、非常に大きい市場であることは間違いないです。

 

アミリスは、農薬を使用しない、高純度、安価で製造することが可能と言っています。

 

Lavvanという投資会社から最大3億ドルを受け取る共同開発をしています。

 

しかし2020年9月にアミリスはLavvanから特許侵害や秘密の漏洩などで訴訟を起こされています。

 

その後、訴訟がどうなっているか進捗がありません。アミリスは悪いニュースを隠す癖がありますから不安です。

 

しかし将来の事業の柱になる可能性は十分あります。

 

最終消費者向け製品の将来性

共同開発によるtoBの将来性はなんとなく理解してもらえたと思います。

 

最終消費者向け製品の将来性も見ていきます。

 

現在は、Biossance, Pippete, Purecaneだけですが、今後もたくさんのブランドを展開していきます。

 

ブランド名 ローンチ時期 製品領域
COSTA BRAZIL 2021年1Q 高級スキンケア
TERASANA 2021年2Q スキンケア
JVN 2021年3Q ヘアケア
ROSE 2021年3Q カラーコスメ

 

すべてゼロからブランドを立ち上げず、買収ですね。

 

ネロCEOは有名ブランドの買収より、マイナーブランドを買収して育てる方針のようです。(お金がないだけだと思います)

 

最終消費者向けの製品の売上は5,610万ドルで全体の29%です。

 

希望的観測ですが、この事業だけで2021年に1億ドル到達する可能性もあると思います。

 

新しいラインが入ってくると、2022年以降もさらに売上が伸びていくことが予想されます。

 

利益率が高いので、黒字化を達成するにはこの事業が伸びるのは必須です。

 

財務分析

2020年は売上1.73億ドル、粗利益8,500万ドル、粗利益率49.3%でした。良いですね。

 

 

売上を事業別にみてみましょう。

 

 

ライセンスが大きいときは全社売上も大きくなっています。

 

再生可能製品は企業向けと最終消費者向け製品の両方が入っています。順調に伸びていますね。

 

問題の営業利益です。上場してから通年でずっと赤字です。直近3年は1億ドルを超えるの赤字です。

 

 

工場への投資や人員増加など前向きなものもありますが、資金調達系での資金流出が目立ちました。

 

EPSもマイナスです。

 

 

EPSは年々改善しているように見えますが、違います。

 

EPSは当期純利益➗株式発行数ですが、分母の株式発行数が増えているため、EPSは年々減っています。

 

  2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
調整後EPS -6.12 -4.84 -3.81 -2.39 -1.61
当期純利益(百万ドル) -97 -202 -223 -270 -382
期中平均株式数 17,642,965 32,253,570 60,405,910 101,370,632 203,598,673

 

一年ごとに株式数が約2倍になっていますね。とてもひどいです。

 

私はグロース株投資を始めて3ヶ月で、これまでアミリスと同じような状況の財務諸表を見たことがないのですが、ひどいです。笑

 

じっちゃまもこのことをツイートしてましたね。

 

赤字が続いてキャッシュがないですし、借金が膨らんで資金繰りが厳しいです。

 

支払利息が多すぎで2020年4800万ドルです。売上1.7億ドルで現金は3000万ドルしかないのに。

 

 

2019年は打ち間違いじゃないですからね。笑

 

キャッシュが30万ドルくらいまで減りました。正直会社はやばかったと思いますね。

 

2020年に株式で資金調達して、財務状況は改善した!どや!って会社は言ってましたけど、いやいやいやって感じです。笑

 

この会社は発言が盛りがちだと思います。売上・EPSのコンセンサスもほとんどクリアしたことがありません。

 

2021年の売上ガイダンスも4億ドルで、2020年の2.3倍の予想を出しています。

 

今年よりよくなると思いますが、4億ドルは言い過ぎだと私は思いました。期待せず待ってみます。

 

さて、ここまでアミリスの簡単な技術、事業内容と財務状況を見てきたんですが、その結果株価はどうなったでしょうか?

 

アミリス(AMRS)の株価

 

スーパーウルトラミラクルハイパードッカーン!!!

 

1年リターンは788%、6ヶ月リターンは618%、1ヶ月リターンは41%です(2021年3月26日時点)

 

株式数や赤字なんて関係なく、事業の将来性をみていますね。

 

私もそのひとりです。

 

競合

今年IPOを発表したZymergenは、売上1,328万ドル、純損失2億3,680万ドルです。アミリスの収益がマシに見えてくる数字ですね。

 

詳しく知りたい方は、こちらの一覧からググってみてください。みずほさんが素晴らしいまとめをしてくださっています。笑

 

出典:みずほ銀行産業調査部

 

(書く力が尽きたのでいつか追記します。)

 

アミリス(AMRS)の優位性

アミリスが競合と差が出るのは、失敗も成功も含めた試験結果のビックデータと量産化技術だと私は思います。

 

DNAの設計はめちゃくちゃ大変です。

 

DNAは天文学的数字のパターンが考えられるので、DNA組換え酵母を銃弾爆撃的に調べて行っても目的の化合物を合成できる確率は極めて低いです。

 

アミリスはこれまで830万の菌株、2020年は52万の菌株を開発してきました。

 

830万もの菌をつくっても、製品化できた有機化合物は13個だけです。

 

アミリスもたくさんの失敗の屍の上に、いま売れている化合物があります。

 

これだけの実験データがあればAIもある程度の精度で、DNAの設計などができると考えます。

 

アミリスもこれから開発できる有機化合物の数が加速度的に増えていくだろうと報告しています。

 

 

過去5年で8分子しか開発できなかったのに対し、これから3年で10分子できると言っていますね。

 

糖を原料にして、パン酵母菌を使って合成しているアミリスの領域に競合は入ってこれないんじゃないでしょうか?

 

逆に言えば、他の領域はアミリスも弱いということですが。。。

 

Zymergenはアミリスのように酵母だけに絞らず広い微生物を試しているみたいです。

 

いま合成生物学の市場は勃興期です。チャンスは無限にあります。

 

今年の売上ガイダンス4億ドルを目指して頑張って欲しいですね!!!

 

まとめ

まとめ

✔︎有機化合物を合成・製造・販売する会社

✔︎酵母を使った合成に強み

✔︎事業は最終製品(to C)、企業向け製品(to B)、ライセンス(to B)、共同開発(to B)の4つ

✔︎高利益率のto Cに注力

✔︎to Bは開発案件数と量産までできる分子数が勝負

✔︎赤字続き、借金まみれ

✔︎長年の低迷期を経て2021年は変革の年

 

アミリスの紹介記事が参考になれば嬉しいです。

 

サポートいただけるとさらに嬉しいです!他の記事を書くモチベーションになります!!!

 

以下の怪しげに光るボタンからお願いいたします。

サポートお願いします

 

合成生物学を理解したい方、アミリスをさらに理解したい方はTALBOTさんのnoteもわかりやすいので参考にしてください。

 

ネガティブレポートが連発しており、株価が暴落しているローズタウンモーターズについて知りたい方はこちらから。

 

【ローズタウン・モーターズ(RIDE)銘柄分析】EVピックアップトラック市場と今後の株価を考察

続きを見る

-グロース株投資

© 2021 ちゃぴ太郎 Blog Powered by AFFINGER5